2010
ムバルンというのは、二つのガムラン楽団が一つの舞台上で交互に演奏を行って、優劣を決めるいわゆる「対決戦」のこと。大規模なものではバリ芸術祭PKBの各県対抗戦がある。といっても、サポーターの熱すぎる応援で騒動が起きるようになり、現在は「ムバルン」という単語を使わず、勝ち負け判定もしない「ゴン・クビャール・フェスティバル」とか「パラド」にPKB主催者は使い分けているが・・・バリ人の心の中では「ムバルン」は「ムバルン」である。
数年前、オダランに呼ばれて行ったら「あ、今夜はムバルンだから、頑張ろうね!」と、会場に着いてそうそう言われた事がある。何でそんな大事なのを事前に教えてくれない!と思ったものの、この時は大人の楽団と子供の楽団の対戦だったので、最初から勝ち負けが見えてて「ま、外国人でも大丈夫さ、踊り子足りないよりは」ってノリなのだと勝手に判断していた。
しかし、同じ衣装を着たバリ人の対決相手と裏で順番を待つってのは、それはそれは緊張するものだ。さらに、この時は演目がオレッグだったから、相手のお姉さんから「何で私みたいな美人がこんなタム(外国人)と対戦なの?色が白いからってイイ気にならないでよ!」って睨まれてるんじゃ?とか、ついつい被害妄想気味に陥るビビリ屋ちび太。怖くて長い長い待ち時間が終わり、出番が来た時は「神様ありがとう!」って、感謝したものだ。
ムバルンの日は観る側も熱気がスゴイ。
ところで今回は、ちょっとばかり嬉しいムバルン体験を書きたい。
「ウィラナタ踊れたよね?日本人の踊り手を探してます。来月xx日で場所はyy寺院。楽団との練習が2回あります」と携帯にSMS。
1ヶ月以上先の話だが、生理予定日からは遠い。(生理=寺院に入れない)
もちろん「OK」と打って返信。
「じゃ、明日の5時に練習に来てください。また明日~」
はい? 私、読み間違えた?
来月でなくて、今月のxx日? そりゃ、来週だからすぐ自主練しなきゃ!
よし!覚えてる!完璧!と、翌日、張り切って楽団との練習に向かったところ、楽団の人達に自己紹介などをして話してたら、やっぱり来月xx日。一ヶ月以上前から練習しているのはムバルンだから。と、おっしゃる・・・ムバルンかぁ・・・オレッグの嫌~な思い出が頭に浮かぶ。
「あの~、相手の演目もウィラナタですか?」
「わからない。各楽団が2曲の楽曲と、2つの舞踊を競う。選択は自由なので、相手と演目がバッティングしないようにウィラナタにした。この曲を叩ける楽団はあまり居ないから」と、自信満々だ。
う~む・・・あまり深く考えるのは面倒なんで、それ以上質問せずに、「踊る!」という事だけ考えて、一生懸命に楽団の音を聴きながら、踊りを音に合わせて練習を始めた (つづきを読む)