2011
日本でのイベントのために、新しい作品を用意する事になりました。
というコンセプトです。

上演時間が長めらしいので、既にある曲っちゃ~、レゴンかな???
だったらチョンドンが物語の進行と一緒に、ストーリーを台詞で言えば、バリ芸能知らない人にも意味が判るよな~。
どうせなら、舞踊あり、唄あり、劇あり、仮面舞踊も見れちゃう!という、日本のイベントで数種類のバリ芸能を少しずつ知ってもらえるものが良いわな~、とだらだらだらだら考え続けました。
日本側のイベント担当者と何度かやりとりし、作品の骨格が徐々にできあがった頃、偶然、ウブドのホテルで働く日本人の方に、ディナー・ショーで公演をしないか?と誘ってもらいました。
丁度良い機会なので、日本へ送るビデオ撮影を兼ねて、乗りこむことに。
早速、演奏者を召集して、曲と舞踊の創作に入りました。
公演するとなると、だらだらモードがシャキン!となって、何度かミーティングや練習を重ねるうちに、明確にやりたいものが見えてきますナ。

バリ・ガムラン奏者たるもの、練習にコピとジャヨー(バリ菓子)は欠かせない!
奏者達とは数年来、頻繁に一緒に過ごしてるので、コミュにーケーションが楽! もともとある曲「レゴン・ラッセム」を原型に選んだので、説明も楽! 太鼓奏者は私が動きを見せれば、期待通りの音を入れてくれます。彼は舞踊家でもあるので、とても踊りやすいんです。もちろん私が間違っても合わせてくれるし。これ、重要。ふふふ。
何とも恵まれた状況で生まれた作品、楽器にもあれこれ工夫を凝らしたので、演奏者4人とは思えない分厚い演奏音が出来ました。むふんっ。
個人の楽器を借りるので、その方に敬意を表し、名前をグループ名に「Gong Sang-LAH-SUN」と決定。
演目名も「the story of Princess Rangkesari ~ ランケサリ物語」に決定。
ラッセム王にさらわれたランケサリ姫を主人公に置いた物語です。いつも泣いてるだけじゃありませんゼ、姫は!

ルバブ3台、スリンも4種類、1回目公演は踊り手も演奏に加わる大道芸人状態でした
そして、本番当日。
・・・三脚、忘れた!
あぁ、ビデオ撮影したいから、公演依頼を受けたのに。
ホテルのスタッフに撮影を頼みたくても、ディナーの準備で全員大忙し、当然、誰もビデオ握って1時間突っ立ってる余裕なんてありませんわ。
仕方なく撮影を諦めたんですが、でも、この作品、お客様に好評だったのか、ホテルからは、その後6回も依頼が来て、この夏のちょっとした定期ディナー・ショー状態に。
この楽器編成は小規模ホテルにはぴったりの大きさの音を出すのと、最初から「外国人が好みそうなバリ芸能」という設定でアレンジしたのがウケタようです。
ビデオも、なんとか撮れました。
回を重ねるごとに、音の隙間が気になり始めたのか、演奏者は自分達の出演料を削って演奏者を1名増やし、音をより賑やかにしました。小さいとこにこだわるなんて、プロですな。

演奏者追加のおかげで、叩いて踊る大道芸人から、唄って踊る宝塚ジェンヌに昇格!
この作品、本来はチョンドンが物語の語り部として、踊りながら舞台解説もする、ストーリー・テラーの役目を果たす予定で、欧米人向けに、チョンドン役の私「わんす あぽな た~いむ」って、一生懸命英語を暗記!!したのにぃぃ、ホテル側でストーリー解説のMCが用意されており、台詞なしの唄だけの踊りに変更となりました。わはは。(でも英語苦手なんでホッとした)
踊れない人をターゲットにしたウェルカム・ダンス(兼カカン・カカン舞踊)も、ホテルの都合で使えませんでした。ちび太の頭の中でグルグル渦巻いていた舞台設定は、かなり規模縮小&内容変更になっちゃった。
それはさておき、このホテルのスタッフが「この舞踊は、うちの日本人スタッフが創作した作品です」って毎回、何人もの観客に説明してまわるのよ・・・
いや、違いますよ、作ったのは我々です! プンプン!!
日本人スタッフさんは、私がお願いしたコレオグラフィーで踊っているだけですよ・・・
それだけでなく、記念撮影の御客さんに「それ日本人なんですよ~!」と指さして、わざわざ解説してくださる。踊りを観てもらえるのは嬉しいけど、そういう注目され方は恥ずかしくない???

ランケサリとラッサム王
私は、オダランなどでは、日本人なのをアピールする事もあります。「外国人が自分たちの文化を勉強してるぜ」とバリ人に知ってもらえるように。
しかし、観光で来てる方に向けて踊りを観てもらう時は、偽バリ人です。旅行は「非」日常にドップリ浸れる貴重な時間でもあるので「あら日本人が海外で頑張ってるのね」って自国の頑張り文化を思い出すよりも「バリ舞踊、エキゾチック~!」って感覚を持ってもらう方が、観てる人達の夢を壊さないと思っていました。
バリ舞踊を習ってる人で、バリでホテルに就職して、そこで踊っている人は他にも居ますが、彼女達は、私の知る限り、同じく「偽バリ人に徹する派」です。
それにほら、バリ人だと思われれば、日本語で正直な感想を観客が話してるのも聞けるじゃないですか。 「え?何?おばちゃんがチョンドン踊ってんの?おばチョン?」とかね~。って、うわ、ちょっとそれは、怖くて聞きたくないわ。
いちお、偽バリ人になるシーンは使い分けてきたつもりなんですが、いろんな捕らえ方があるもんですね・・・今回、「素敵でしたよ、ありがとう」という日本語を聞き、説明できませんが、自分の中で、少し考え方に変化がありました。
かといって、いきなり明日から「大和魂!」て書いたキパスを振りまわして
日本人踊り子ちび太参上って売り出すわけでは無いですよ。

ガルーダ鳥とラッセム王のバトル・シーン。客のワイン・グラスをひっくり返す勢いの元気なガルーダ。
ところで、定期ディナー・ショーは、思わぬ展開に。
・・・なんか、いつも、こういうパターンだな。
ある時、このショーに、演奏者W氏がやってきました。「これと似た作品を作れと言われた。このホテルの別館でやるんだよ」って、堂々とグループの前でおっしゃりました・・・
演奏者達、それを聞いて「何だかな~」という微妙な顔をしてます。いや~、この楽器編成は真似られたくないなぁ・・・だって皆で長い時間かけて編み出した(?)んだもの。
さらに日本人スタッフから「W氏がアンセル(曲の合図)の数を数えられるよう、後でビデオをコピーしてくれ」とも・・・
楽器も「貸してくれ」と言ってきました。わ~お!
それ、似た作品を新しく作るんでなく、まんま作品をコピーするんじゃないのん?????
さすがコピー社会のインドネシア。
何も考えてません。
パクリを堂々と。
右アガムと左アガムだけ変更して「自分のオリジナル」って言うのが容易に想像できます。
もちろん、我々だって、昔からあるレゴンの曲を真似て作ったんだけど。てへへへへへ。
でも、少しでも自分たちのカラーを出すため、別のフレーズを挿入したり、衣装や踊りに変化を加えたり、かなりな工夫をしたんだよねぇ・・・ああ、やっぱり著作権とか皆無なバリ島。
楽団メンバー、かなり怒りました。が、穏便にすませようとするバリ人気質らしく最終的には「あぱ・ぼれー・ぶあっと(仕方ない)」と。
コピーされるというのは、評判が良いからだって思って諦めよう。モラルが欠けた人を相手にしても仕方ない。 次回、別の場所で、もっと内容を濃くした公演をやろうな!と。 ああ、男っぽい。
そうだね~、踊りも音楽も、もっと自分たちのスタイルにして完成度を高めようね~。
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と、ここまでが話の展開だったんですが、その後、盗作騒動は、こうなりました。
Kホテルでは、衣装を変えたバージョンと、ジョボグの話に設定しなおした2バージョンを上演中だと・・・by 出演者からのチクリ情報。 衣装の色を変えたから全くのコピーではない!と言いきられたら、そうだと返事せざるを得ないのでしょうね。
ま、たった5枚の鍵盤で作る音楽なんだから、そりゃ、似たもの作るな!というのも無茶な話だし。
けど・・・日本人(バリ人でなく)に、コンセプトそのままで作品をコピーされて「私の作品です」って宣伝されるのは、やっぱ悔しいわな。このせいで予定のイベントにオリジナルとして作品を持参出来なくなったのも、悲しい。
そうなんです、今回は残念ながらオリジナル作品を持参できませんでした。イベントはインドネシアの子供達の学資を集めるチャリティ・イベントでした。しかし、次の機会には「極秘」で新作を作って参上します!待っててください!
そして! 時期を同じくして、別のお話が!
Photo K.AKIRA

10代から70代まで。メンバー強化でパワー・アップ! 復活!! Group Sang-LAH-SUN
以前、日本で踊った ちび太 の写真を撮った日本人フォトグラファーさんから「バリに写真を撮りに行く」との連絡が。
Photo K.AKIRA

ランケサリ姫&ラッサム王も、美男美女にパワー・アップ!
私の踊りを観て以来、ずっと、その時の衣装「チョンドン」の踊り手の写真を現地で撮りたい。という情熱を持ち続けておられたのが、急に実現。
写真の個展準備のために、可愛い踊り子ちゃんを撮影したいという御話ですが、それとは別に「機会があれば、是非、バリ島でも再び、ちび太さんの踊りを」というリクエストに応えるべく(最初は社交辞令と思いましたが繰り返しおっしゃるので、がんばって準備しました)Sang-LAH-SUNを再結成して、ランケサリ物語を写真撮影用に上演しました。
さあ、数年後に予定されてる写真展、ちび太の姿は使われるんでしょうか?ふっふっふ。
Photo K.AKIRA

風邪で声が潰れ、今回チョンドンは歌なし。ところがルバブが歌うように曲に入ってきて感激。
フォトグラファーさんに楽団宣伝用の写真も提供してもらいました。本当は、もっと素晴らしい写真を撮られますが、ここでお借りした写真は、腕が発揮できていないことをあらかじめお断りしておきます。初めてのバリ島で、ここまで公演の照明が暗めとは思わず、ぴったりのレンズを準備していなかったそう。
Photo K.AKIRA

ランケサリ姫は、お肌ピチピチの現役女子高生! チョンドン役のちび太は衣装がピチピチ!
楽曲と舞踊で1時間フルの公演。メンバー、みな、すっごく満足しました。今回7回目となるランケサリ物語、初めて心から楽しんで上演したんではないでしょうか? 自分たちで拍手してたから。
第6回Kホテル公演(左)と、第7回・復活公演(右)と、ノリの違いを比べてみてください。
そしてね、写真撮影の4日後には、会場として使わせてもらったホテルから、ランケサリ姫公演のディナー・ショー出演依頼が。 わおわお、すごい!! すごいよね?! うん!
本当にホテル受けする作品なんだわぁ、これ・・・と実感。
こりゃ、もしかして、ちび太の三大代表作になる?! (あ、後の2つはハムレットとカルメンっていうの。あらあら、悲劇ばっかだわな)
Photo K.AKIRA

ラッサム王は、普段は仮面舞踊や舞踊劇を踊ってて、今回、初の色男メイク。とても照れてました
Photo K.AKIRA

ガルーダは「写真に残るから」と自前の衣装を持参して(実際は見えないんですが)張り切ってた
Photo K.AKIRA

パタパタパタ! おおいに客に受け、満足顔のガルーダ