イ・クトゥット・マドラ : バリ伝統絵画

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イ・クトゥット・マドラ氏 2013年11月

イ・クトゥット・マドラ氏は、ウブドのプリアタン村出身のバリ伝統絵画家である。
fm と同じく、村のバンジャール・カラー地区に住んでいる。
伝統画家としての顔以外に、仮面舞踊家、そしてガムラン演奏家としての顔も持つ。
ガムラン演奏家としてのマドラ氏は、 f と一緒に、デウィ・スリ楽団、ティルタ・サリ楽団、そしてバンジャール・カラー地区のグルニタ・サリ楽団で演奏している。

以前、 fm は、マドラ氏と一緒に、村のプラ・ダレム・グデ・プリアタン寺院に飾られる巨大なノボリ「ウンブル・ウンブル」を描いて奉納するという経験をさせてもらった。我々は、もちろん画家ではない。しかし、奉納という目的で、マドラ氏の適切な指導を受けて、最後まで作品を完成させた。

Umbul-Umbul (Balinese Hinduism Flag)
Umbul Umbul Dragon 2009-2013

今年、イ・クトゥット・マドラ氏は、友人の手伝いを受けて、ウブドのプリ・ルキサン美術館で展覧会を開いた。
「イ・クトゥット・マドラ ~ バリ・ワヤン絵画100年の歴史」
Ketut Madra and 100 Years of Balinese Wayang Painting
と題して、2013年11月7日から、10月7日までの一ヶ月間の開催であった。

我々も、その数多くの作品をこの目で観る事が出来た。
今までは数点の作品にしか触れたことが無かったため、圧巻であった。
氏の若かった頃、1970年代のものという貴重な作品も、コレクターから貸し出されており、氏の40年近くにわたる(実際には画家としての経験はもっと長い)作品群を一時に観られたのである。

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展覧会会場でのイ・クトゥット・マドラ氏 2013年
「イ・クトゥット・マドラ ~ バリ・ワヤン絵画100年の歴史」

また、我々は会場で直接マドラ氏から展示作品についての解説を受けるという機会も持てた。
以前からマドラ氏は、そのアトリエで、絵画についての話をよく我々に聞かせてくれていた。
絵画の中に込められた物語や、教訓についてである。
氏の絵画の題材は、必ず、プワヤンガンといわれるマハバラタやラマヤナなどの、バリ・ヒンドゥ教の物語である。
展覧会会場で会った際にも、これまで我々が観た事なかった氏の作品の登場人物やストーリーを細かく説明してくれた。

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絵画「シータ・サトヤ(炎に包まれて身の潔癖を証明するシータ姫の話)」
「イ・クトゥット・マドラ ~ バリ・ワヤン絵画100年の歴史」

会場の壁には、大きなな絵画が一点掛けられていた。
シータ・サトヤという物語を描いたこの大きな作品、
実はカンバスが真っ白なゼロの段階から、完成までの工程を我々は目にしていた。
我々にとっても、思い出深い作品である。

絵画「シータ・サトヤ」制作中のイ・クトゥット・マドラ氏
絵画「シータ・サトヤ」制作中のイ・クトゥット・マドラ氏 2010年7月

絵画「シータ・サトヤ」制作中のイ・クトゥット・マドラ氏
絵画「シータ・サトヤ」制作中のイ・クトゥット・マドラ氏 2011年

絵画「シータ・サトヤ」制作中のイ・クトゥット・マドラ氏
絵画「シータ・サトヤ」制作中のイ・クトゥット・マドラ氏 2012年

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アトリエに飾られた絵画「シータ・サトヤ」  2012年11月29日
左からニ・ワヤン・コンドリ(マドラ氏夫人)、 m 、イ・クトゥット・マドラ氏

この「シータ・サトヤ」は、2012年の11月に完成した。2010年の6月から描き始めて、2年以上かかった作品である。
マドラ氏の描く絵画は細密画の部類に入るので、それはそれは細かい作業が繰り返されるため、この大きさの絵画は、手がけたことがなく、貴重な作品である。

マドラ氏、今回の「イ・クトゥット・マドラ ~ バリ・ワヤン絵画100年の歴史」展覧会のご成功おめでとうございます!

I Ketut Madra on Film

イ・クトゥット・マドラ I Ketut Madra

I Ketut Madra

I Ketut Madra

イ・クトゥット・マドラ バリ伝統絵画画家。1950年代から絵画の世界に入る。彼の作品は主にワヤン技法と呼ばれる伝統的な絵画手法によるものである。
1976年には大統領宮殿に作品がコレクションにされるなど国内での評価は高い。インドネシア以外にもアメリカのハーバード大学(1973年)日本(1991年、1999年)など、海外での展覧会も開催。
バリ州の州知事イダ・バグース・マントラ氏(当時)から、伝統画家として1987年と1989年に表彰されたのをはじめ、国内海外でも多数の賞を受けている。

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