イブ・アリニのレゴン舞踊 2013年PKB

今年のバリ芸術祭で、 m (mayumi)は、舞踊家そして舞踊指導者として名高いイブ・アリニ(Ni Ketut Arini S.ST)女史がプロデュースした古典レゴン舞踊の復興企画公演で踊りました。

Legong from Ni Ketut Arini
Legong from Ni Ketut Arini

イブ・アリニの指導の元、バトゥブラン村のガムラン・チュンダナ楽団(クトゥット・スワンダ氏主宰)が演奏を、日本のサンガル・バスンダリ舞踊団が舞踊を担当することとなりました。
バスンダリ舞踊団主宰の長谷川亜美さんから、レゴン・プラヨンへの参加の打診が来たのが4月。
しかし、イブ・アリニがアメリカ滞在中のため、私が練習を開始できるのは(つまりどのような舞踊かを目にするのは)イブの帰国する6月!
時間的には少々大変ですが、イブ・アリニの指導を受けられるならば!と、参加決意しました。

Legong from Ni Ketut Arini
Ni Ketut Arini

イブの舞踊指導は有名で、大勢のバリ人、そして外国人が通っています。また頻繁に海外に呼ばれ、バリ不在の事も多いです。
とにかく多忙な方で、なかなか練習を受ける機会がないという話は以前から聞いていました。
さらに、その人となりが生徒達に好かれ、20年来のつきあいだという外国人も大勢います。

今回 m は舞踊祭までの短い期間でしたが、その練習を受け、舞踊の話を伺い、イブのファンになりました。

Legong from Ni Ketut Arini
イブ・アリニとの練習風景

6月の公演まで、楽しくそして厳しいイブ・アリニの練習を受けました。
いつもプリアタン村のレゴン舞踊を踊っている m
イブが教えてくれる「バドゥン・スタイル」は、腰の位置、ヒップの位置、そして頭の位置が、すべて逆だったりします。
練習が終わって自宅へ帰ると、その日習った腕の動かし方を繰り返し練習という日課が続きました。

バリ舞踊は動きを身体に染込ませるのが第一条件です。
間違った動きをすると、筋肉や骨の使い方が違ってくるため、自分自身で 「あ、今、何かが違う」 というのが判ります。
しかし今回は、動きだけでなく、扇子のポジションまで慣れ親しんだものから変更するので、自分が本当にイブの言う身体のディテールを表現できているのか、鏡無しでは、とても判断できませんでした。

Legong from Ni Ketut Arini
相方との練習風景

慣れない動きが多く、踊り込むのが、非常に大変だったレゴン舞踊・・・既にクセになって、体が勝手に動くものを、別の流れに置き換えなければならないのです。
これは難しかった!
特に、頭!

舞台が近くなると、日本から続々と踊り手さんが集まり、それぞれの踊りを楽団と合わせます。
私の踊るレゴン・プラヨンのパサンガン(相方)も四名で、お互いの動きのタイミングなどを見ながら、合わせていきます。

本番前にはグラディ・ブルシと呼ばれるゲネリハが行われ、当日着る衣装を着用してのリハーサルが行われました。

Legong from Ni Ketut Arini
ゲネリハ

今回は古典に沿ってということで、古い写真や映像、そしてイブ・アリニの記憶を元に、昔のレゴン舞踊の衣装からアイディアを取った衣装が使われました。
・後方の飾りが左右に大きく突き出したグルンガン(冠)
・今よりも一つパーツが多いアンポアンポ(腰飾り)
・踏みそうに長いスレンダン帯
・胸を留めるトゥトゥップ・ダダという帯は使わない
今覚えているだけでも、かなりの違いがありました。

Legong from Ni Ketut Arini
古典風のレゴン衣装を身につけた ニ・クトゥット・アリニ女史

化粧も古典風です。
ピンクや青を使い始めたのはオランダ統治以降ジャワから来た化粧法だという事で、茶色と黒、口紅のみというシンプルなものでした。
髪の生え際に描くチャリンキダンという鬢も、額に描く涙型の模様チュンダンも、すべてありません。
派手なバリ舞踊の化粧を見慣れている身として、物足りない感じがしましたが、舞台ではしっかりと、この化粧が映えていました。

2013年6月23日、プレゴンガン舞踊復興のタイトルを掲げたバリ芸術祭での公演は無事終了しました。
ガムラン・チュンダナ楽団のインストゥルメンタル2曲、歓迎の舞踊として古いスタイルのガボール舞踊
今回のメインであるレゴン舞踊は、クランディス地方の古典チョンドンとレゴン舞踊、レゴン・バパン・ドゥルガ舞踊
最後に我々のレゴン・プラヨン舞踊と続きました。

イブ・アリニにこの場を借りてお礼を申し上げます!
これからも機会があれば、御指導よろしくお願いします。

Legong from Ni Ketut Arini
PKBバリ芸術祭での舞台

レゴン・プラヨン舞踊

 (TARI LEGONG PELAYON — スアンダ氏編纂によるPKB2013プログラムより引用)
1974年、ササナ・ブダヤ・プロジェクトのメンバーによってレゴン・プラヨン舞踊の練習とセミナーが行われ、続く1975年には、このレゴン・プラヨン舞踊の再興が行われた。
子の舞踊はランケサリ姫が幼少の頃の事を描いてある。美しい動きと、プレゴンガン舞踊の基礎が織り込まれたこの舞踊はいまも踊り継がれ、今年2013年のPKB(バリ芸術祭)の舞台において久々に舞われることとなった。

舞踊指導: ニ・クトゥット・アリニ
演奏指導: イ・クトゥット・スアンダ
踊り手:  Ayako Nikaido, Mayumi Inouye, Sayaka Nagayama, Sachiko Kudo

ニ・クトゥット・アリニ Ni Ketut Arini, S.ST.

Ni Ketut Arini, SST.

Ni Ketut Arini

プロフィール:ニ・クトゥット・アリニ
(Ni Ketut Arini, S.ST.)

1943年3月生まれ。バリ舞踊のマエストロとして有名なだけでなく、バリ舞踊の教師としても名を馳せる。
バリ舞踊の師としては、自らの教室「サンガル・ワリニ」をデンパサールにおいて開催、1973年から現在までアクティブな活動を行っている。
現代バリ舞踊からプレゴンガン舞踊まで数多くの舞踊作品も生み出しているオレオグラファーでもある。
バヤン・ンギンテ舞踊、ドゥマン・ミリン舞踊、チャンドラ・ムトゥ舞踊、パンジス・ミラン舞踊、マルガパティ舞踊など、故イ・ニョマン・カレールの作品を次世代に伝え継ぐ数少ない直弟子でもある。
その活動は高く評価され、政府からの表彰をはじめとして、海外グループからも感謝状を送られている。

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